品種図鑑
ビカクシダ、品種ごとに。
各品種を学名・中国語名・日本語名で。育て方の要点、母株の写真、現在販売中の株。

Platycerium alcicorne
アルシコルネ
アルシコルネは東アフリカとマダガスカル原産で、ビカクシダ属の基準種です。貯水葉は丸く滑らかで板に密着し、胞子葉は細く何度も分岐します。子株をよく出し、強光と乾燥に強く、最も育てやすい原種の一つ。アフリカ産とマダガスカル産の二型があります。

Platycerium andinum
アンディナム
南米ペルー・ボリビアのアンデス東斜面原産、唯一のアメリカ大陸の原種。全身を銀白の星状毛が覆い、細長い胞子葉は 1m 超。蒸れと寒さに弱く、原種の中でも最難関クラスの上級者向けです。

Platycerium bifurcatum
ビフルカツム
ビフルカツムはオーストラリア東部原産で、ビカクシダの中で最も丈夫な原種です。子株をよく出して群生し、ネザーランドやマウントルイスなど流通品種の元にもなっています。入門種ですが、きちんと育て上げる価値のある一株です。

Platycerium coronarium
コロナリウム
コロナリウムはタイ・マレー半島・シンガポール・インドネシア・フィリピンの低地林に着生する原種。王冠状に裂ける高い貯水葉と、2m を超えて垂れ下がる胞子葉、独立した腎形の胞子嚢葉が特徴です。子株を出し、リドレイより育てやすく、縦の空間を活かせる収集向きの種です。

Platycerium elephantotis
エレファントティス
エレファントティスはコンゴ盆地からアンゴラ、東アフリカにかけての熱帯アフリカ原産。分岐しない幅広の胞子葉が象の耳のように垂れ、属で唯一「鹿の角」の形をしない原種です。自生地の乾季に合わせて低温期は落葉して休眠し、春に再び動き出します。子株をよく出す種です。

Platycerium ellisii
エリシー
マダガスカル東部の湿った低地林原産の小型種。丸い貯水葉は層間に隙間ができ、逆三角形の胞子葉は先端で一度だけ分かれ、これがアルシコルネとの見分け方。子株を出し、流通株の多くは TC 株です。

Platycerium grande
グランデ
グランデはフィリピン・ミンダナオ島の雨林原産の大型原種です。高く立ち上がり左右対称に深く裂ける貯水葉と、2m に達する垂れ下がった胞子葉が特徴。胞子葉 1 枚に胞子嚢群が二か所付く点がスパーバムとの確実な見分け方です。子株を出さず、胞子培養でのみ殖えます。

Platycerium hillii
ヒリー
ヒリーはオーストラリア・クイーンズランド北東部の湿潤な熱帯林原産の小〜中型種です。縁が平らな丸い貯水葉と、楔形で濃い緑、星状毛がほとんどなく先端付近だけ分岐する直立した胞子葉が特徴。ビフルカツムに似ますが、より緑が濃くコンパクト。子株をよく出し、リムクロンやドラゴンなどの選抜個体が人気です。

Platycerium holttumii
ホルタミー
ホルタミーはタイ・ラオス・カンボジア・ベトナム南部からマレー半島北部の低地モンスーン林に着生する大型原種です。先端が深く裂ける高い貯水葉と、太い葉脈で前方に張り出す肉厚の胞子葉が特徴。子株を出さず胞子培養のみで殖え、ワンダエとの誤表示が最も多い種です。

Platycerium madagascariense
マダガスカリエンセ
マダガスカリエンセはマダガスカル東部の湿った森林に自生する、属で最小の原種。丸い貯水葉に葉脈が蜂の巣状に隆起し、鮮やかな緑の時期が最も美しく、胞子葉は短く横に広がります。子株で群生しますが、恒常的な湿度と風、暑すぎず寒すぎない環境を要求する上級者向けの種です。

Platycerium quadridichotomum
クアドリディコトマム
マダガスカル西部〜北部の乾燥落葉林原産。波打つ胞子葉が二回分岐し四つの先端になるのが名の由来。乾季は貯水葉が枯れ胞子葉が筒状に巻いて休眠します。原種の中でも最難関クラスの種です。

Platycerium ridleyi
リドレイ
リドレイはマレー半島・スマトラ・ボルネオの樹冠に着生する原種。球状に閉じる貯水葉、直立して分岐する胞子葉、匙状の胞子嚢葉が特徴です。子株を出さず胞子のみで殖えるため、親株の表現と血統が価値を決める、愛好家憧れの一種です。

Platycerium stemaria
ステマリア
ステマリアは西〜中央アフリカ原産の原種です。貯水葉は高く伸びて先端が波打ち、胞子葉は幅広で表は光沢、裏は白い毛に密に覆われます。子株を出す多芽タイプで、水と暖かさを好み、アフリカ系では育てやすい種です。

Platycerium superbum
スパーバム
スパーバムはオーストラリア東部の雨林原産の大型原種です。王冠状に裂ける貯水葉は幅 1m に達し、垂れ下がる胞子葉には胞子嚢群が一か所だけ付きます。これがグランデとの唯一確実な見分け方です。子株を出さず、胞子培養でのみ殖えます。

Platycerium veitchii
ベイチー
ベイチー(ビーチー)はオーストラリア・クイーンズランドの乾燥した疎林に自生し、岩にも着生する原種。細く直立する胞子葉が厚い白の星状毛に覆われ、貯水葉の先端は指状に裂けます。属の中で最も日光・乾燥・寒さに強く、子株をよく出し、室内向きの銀葉種として人気です。

Platycerium wallichii
ワリチー
ワリチーはインド北東部からインドシナ、中国雲南南部のモンスーン林原産の原種です。幅広い扇形の胞子葉が三つに裂けて蝶の翅のように広がり、貯水葉は高く王冠状に裂けます。単芽で胞子培養株のみ。乾季に貯水葉が褐変し胞子葉が丸まる休眠があり、休眠期の水管理が要です。

Platycerium wandae
ワンダエ
ワンダエはニューギニアの低地雨林原産、属で最大の原種で「ビカクシダの女王」と呼ばれます。貯水葉は幅 2m に達し先端が深く裂け、成長点の周りに独特のフリル状の組織があります。幅広の胞子葉が垂れ下がり、子株を出さず胞子培養のみ。成株はコレクションの主役になります。

Platycerium willinckii
ウィリンキー
ウィリンキーはジャワ島周辺の季節林に着生する原種。細長く垂れ下がり何度も分岐する胞子葉が銀白の星状毛に覆われ、貯水葉は高く裂けます。強光と乾燥に強く、子株をよく出し、ジェイドガールやペドロなど命名クローンの大半の母体となる銀葉系の本流です。